ブルーレイに広がる「デジタルコピー」 映像ソフトはこれからどうなるのか

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昨年末に公開されて話題となった映画「レ・ミゼラブル」。古典のリメイクでしょ? くらいに思って全く見る気はなかったのだが、ソーシャルで次から次へと絶賛する声が聞こえてきた。
感想のコメントが並ぶにつれて見てみたいという欲求が高まり、いざ観に行こう! と思ったが時既に遅し。すっかり見逃してしまった。

さて、6月には同映画のブルーレイ版が出るのだが、この商品に「デジタルコピー」というのがついてくるらしい。
デジタルコピー? なんじゃそりゃ?

PCやスマホでも本編が見られる!

調べてみると、どうやらブルーレイを買うと、PCやスマホ、タブレットなどで見られる動画版がついてくるとのこと。
DRM付きなので認証した端末でしか見られないようで、スマホなどへの転送はiTunesなどを通じてできる模様。

このデジタルコピーについては、主にアメリカの映画配給会社が進めているらしく、簡単に調べて出てきたものでは2008年に発売した「マトリックス」のブルーレイ版に既についていたそうだ。早い!
日本で販売している会社としては、ディズニー、20世紀フォックス、ワーナー・ブラザーズなど。ちなみにレ・ミゼラブルはユニバーサル。

DRMで保護されているコンテンツなので、場合によってはMacでは再生できないこともあるらしい。
もっと言ってしまうとWindows版のWindows Media Playerでのみ再生可能なので、iPadやAndroidでの再生は望めない。
また、当然だが対応するディスクドライブが搭載されていないPCでは利用することができない。
最近はウルトラブックの普及でドライブがついていないノートPCのみの人も多いので、この辺りは使い勝手が悪そうだ。

多様化する映画の販売方法

そんなデジタルコピーについて調べていくうちに、数年前にも似たようなことがあったのをふと思い出した。それは、「DVD付きのブルーレイ」だ。
2008年~2010年ごろにかけて、ディズニーなどの映画で見られた販売方法で、DVDからブルーレイへの過渡期(とはいえブルーレイ寄り)に販売された。
初めてその販売方法を見たときは利用シーンが良く分からなかったのだが、おそらく、現在はDVDプレイヤーしかないが将来的にはブルーレイプレイヤーも欲しいという人に向けて発売されたのだろう。
また、売る側からしてみれば、DVDより高値で販売できるブルーレイが売れたほうがいいというのも考えられる。

デジタルコピーについては、現状デジタルコピーなどなくてもビデオオンデマンドでたいていの映画は見れてしまう。
だが直接的な利益としてはブルーレイのほうが高いのだろうと容易に想像がつく。例えばhuluは月額980円なのにブルーレイは1枚で安くとも4000円近くはする。
上記のDVD付きのブルーレイと同じ流れを辿るとすれば、ブルーレイが現在のDVD並の価格まで値下がりし、ユーザーは皆ネットで映画を見るようになっていくのだろうか。

一方、日本のアニメ作品で顕著な傾向として、映像ソフトはあくまでコレクターグッズのような扱いとされるケースが多い。
値段もたった2話、40分強の内容に対して5000円もかかり、初回限定仕様などでは1万近くするのが当たり前。それが毎月リリースされていくのだ。

これにはさすがにマネタイズに問題があるので、その他にもイベントや関連グッズの販売も積極的に行われていく。
劇場公開されるアニメ映画もTVシリーズの再編集といった場合がある。もちろん再編集にも色々と手間がかかるらしいが、それにしても広告的すぎる気はする。
また、アニメに関してはデジタルコピーどころかオンデマンド配信に対しても硬い印象で、放送するテレビ局に関連するところでのみ配信というケースも多い。
この辺りはあまり詳しくないのだが、テレビ局の影響が未だに強いのだろうか。

オンデマンド配信では、価格の面でも売り手からすると問題はあるが、ユーザー目線では画質の問題もあげられる。
ネット環境もだいぶ発達してきたのでかなり改善されてはきたし、最近では4Kなども話題となっている。が、それでも現状はDVD並のクオリティがほとんどだ。

ブルーレイは画質や音質といった面でオンデマンドに優っていると言えるだろうが、ここで問題なのが「求められている画質」である。
スマホやタブレットでの視聴が当たり前になれば、それだけ液晶のサイズも下がる。となると解像度の高さはそこまで求められないのだ。

ブルーレイでの映像販売については、何らかの「付加価値」を付けない限り縮小の傾向にあるだろう。
それがアニメならば、本編以外の特典やイベントであるし、一般の映画ならば一時期もてはやされた3Dのように、スマホやタブレットでは体験しづらい映像だろうか。
少なくともデジタルコピーについては、今後のブルーレイ等映像メディアの販売をより縮小していく特典になってしまうに違いない。
…とはいえユーザー視点では嬉しい限りだけど。

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