最新技術で蘇った死霊達 2013年版「死霊のはらわた」レビュー

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1981年に公開され、スプラッターホラーブームの火付け役となった名作「死霊のはらわた」。
監督はスパイダーマンシリーズや「オズ はじまりの戦い」といったすっかり有名監督のサム・ライミだ。
この個性的な名作のリメイク版が、現在新宿ピカデリーなどで公開されている。

今回のリメイク版ではサム・ライミはプロデューサー、脚本として関わっている。
そして監督を務めたのはフェデ・アルバレス氏。まったくの無名監督による名作カルト映画のリメイクというわけで、サム・ライミ自身が関わっているとはいえやや不安である。
本作を見る上でとても重要な情報として、R-15指定であった原作に対し本作ではR-18指定であるという点だ。
原作制作時よりも豊富であろう予算と最新技術で、死霊のはらわたはどう生まれ変わったのだろうか。

まずはストーリーについて。
こちらは基本設定である山小屋、カップル×2 +1名という人数構成はそのままだ。もちろん地下室もある。
キャラクター設定を原作よりも細かく作りこんでおり、山小屋へ行く理由や立ち去れない理由など、全体として論理的に話が進んでいく。
こういった十分な説明がされている点はインディーズムービーとの違いだろう。

ただし、ストーリー性としては特記するほどの魅力はない。
いや、確かに面白いのだが、アッと驚くラストや、原作と異なるストーリー展開! といったものを期待して見てしまうと肩透かしを食らうことだろう。
あくまでエンターテイメントとしてのスプラッターホラーを楽しむことをおすすめする。

ストーリー以上に注目すべき点として、その映像だ。
前述のとおりR-18指定ということで、とにかくグロテスクなシーンや暴力的なシーンが満載で楽しい。
しかも面白い点として、スプラッターホラーの演出に一貫性をもたせず、まるで複数の映画をつなぎあわせたかのような演出だ。

序盤では、巧みなカメラワークによる「見えないもの」が「突然現れる」恐怖。
この辺りでは血なまぐさいシーンよりもホラーとしての演出が多くなされていて、出血もかなり少ない。
死霊についても原作ではゾンビのようなモンスターとして扱われていたが、この段階では日本のホラーのような霊的な演出がなされている。

中盤に入り死霊が取り憑き出すと、今度は一気にスプラッター映画に変身だ。
次から次へと起こる人体破壊にぐいぐいと引き込まれる。中でも自分で自分を傷つける描写が良かった。
監督のこだわりによりCGではなく特殊メイクが多用されたとのことで、その重量感や肉感がリアリティを与えてくれている。
この中盤はとても大好きだったのだが、一点残念な点としては眼球への攻め方がイマイチだったところだろうか。

そしてついに迎える終盤。
原作では錯乱した主人公VS死霊に取り憑かれた友人、恋人によるバトル展開だったが、本作でも息を呑むバトルが繰り広げられる。
今回は死霊のディティールがとても良く、モンスター映画としての魅力を存分に出していた。
なぜかやたらと道具の揃っている山小屋で、様々なものを武器に戦う姿は特にゾンビ映画好きにおすすめしたい。

オープニングからラストシーンまで、常にドキドキしっぱなしだった。
手を変え品を変え刺激を与えてくれる91分間。ぜひとも映画館の大画面と大音量で楽しんでいただきたい作品である。

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